ひょっこりポンカン島

―――――――――――――――下浦地区振興会―

ポンカンの一年

約5分

ポンカンの一年をまとめました。
大きさがわかりやすいように、ところどころ晩柑も登場しています。
だんだん大きくなっていく様子、ポンカンへの親近感がわきそうです。
そして、たえず見守る農家さん達に頭がさがります。

3月下旬
ポンカンの新芽。
左から右と10日経過しています。
暖かさをしっかりキャッチして
すくすくと伸びていきます。
農家さんたちは3月いっぱいで
剪定をおおよそ終わらせます。
4月上旬
春の風に誘われて
いよいよ丸くふっくらとする芽。
花の白っぽさが
わかるようになってきました。
 この時期にはこんなサプライズも。
剪定中に見つけられた小さな卵。
ウグイスの卵。
4月下旬
ウグイスの卵がかえりました!
まだ目もあかない雛。
餌を求めて精一杯口を開けています。
そして、
ポンカンの花も咲き始めます。
5月上旬
この時期の下浦町は、
車の窓を開けての運転がおすすめ。
ポンカンや不知火の花の匂いが
たまらなくいい匂いです。
爽やかで清潔で深く。
産地でなければ知れない喜び。
5月中旬以降
花が散り、
小さな小さな実が出来ました。
生まれたよ!と誇らしそうです。
緑の小さなまるいのが
いつか私達の口に入ります。
6月上旬
1枚目の写真がポンカン。
まだまだ小さく、
ボタンみたいです。
2枚目の写真は晩柑。
今ビー玉位の大きさ。
まだ果汁は入っていません。
※開花後の
5月下旬から6月にかけて、
果実が自然に落ちる
生理落果という現象が起きます。
木に成る実が
すべてそのままとは限りません。
6月下旬
ポンカンはまだまだ小さく、
親指のあたまにも満たないくらい。
晩柑は大きくなってきました。
だけどまだ硬く、
輪切りするとこんな感じです。
きゅうりみたい・・・
真ん中が果肉になる部分です。
まだ甘い匂いはしません。
6月~7月から始まる
「 摘果(てきか)」
もったいないと思ってしまいますが、
大変大事な作業です。
摘果(てきか)とは、
1本の木に
適正な着果量を残す作業です。
晩柑、不知火はだいたい6月から、
ぽんかんは7月くらいから始めます。
たくさん実がついていると、
ひとつひとつの玉が大きくならず、
小さいと糖度も上がりません。
また、たくさんならせすぎると、
木も体力をたくさん使うので、
疲れて翌年に
花をつけられなくなります。
適切な摘果によって
果実も充実して大きくなり、
糖度もあがります。
木への負担も少なくなり、
翌年もちゃんと花が咲いてくれるのです。
この摘果、例えばぽんかんでは、
3分の2くらいの実を
落としてしまうのだそうです。️
踏んだら滑って転ぶくらいの実を
地面いっぱいに落と️します。
8月
まだまだ摘果の真っ最中。
晩柑は絞れるくらいまで育ちました。
この時期の心配のひとつは水不足。
適度に雨が降れば水やりの必要なく
摘果に専念出来ますが、
水不足で摘果に加え
水やりの必要も出てくると、
農家さんは暑い中の作業が増え、
疲労が重なります。
「日焼け果」
雨の降らない夏には日焼け果もでます。
日焼け果は、日に焼けた部分の細胞が成長しないので、焼けると
ちゃんとした果実に育ちません。
猛暑で雨が無く、日差しが強すぎると、
果皮もだめになります。
あまりに水不足だと
葉も黄色くなって散ってしまいます。
10月上旬
ポンカンたち、まだまだ葉と同じ緑色ですが、
ずいぶん大きくなりました。
色づくのは、11月末から12月初め頃。
日中と朝晩の温度差が大きくなってくると、
一気に色づきます。
10月下旬
こちらは晩柑。
収穫期の大きさと同じくらいに。
果汁もたっぷり。
まだ酸味は強いですが、
グレープフルーツが好きな方には️
問題ない味です。
晩柑の収穫は通常は3月の下旬ごろ。
これからの時期は重みによる落下が
心配です。
11月下旬
ポンカン、かなり色づいてきました。
そろそろ収穫です。
 12月下旬
たわわになっているポンカン。
ポンカン収穫の真っ最中です。
下浦町の冬の夜空は
見えすぎるほど星が見えますが、
昼間にはポンカンの星。
さてこの「ポンカン」
市場では「ポンカン」と
まとめられますが
「高しょう系」と
「低しょう系」があります。
「高しょう系」は
腰高で大きめで丸い感じ。
“天草ポンカン”
とも言われます。
「低しょう系」は
へん平でやや小玉な果実。
“下浦ポンカン”や
100年の歴史があるため、
“下浦百年ポンカン“
とも言われます。
高しょう系ポンカン→
低しょう系の順に収穫。
ポンカンは多くを12月で収穫します。
あまり延ばすとヒヨドリの
被害や寒害の影響があったり、
長く実を残しておくと
ポンカンの木がくたびれて
樹勢が弱り、
翌年に実を付ける体力が
なくなります。
収穫は、ひとつひとつハサミで。
農家さんはお手伝いさんを依頼しながら、
一日にコンテナ200杯分以上も収穫します。
ポンカンは収穫して、
直ぐに出荷ではありません。
それぞれ収穫後自宅倉庫で、
約1ヶ月間貯蔵してから出荷です。
この間に「予措」といって
温度と湿度の調整をして熟成させます。
こちらは竹で編んであるポンカン貯蔵庫。
丈夫で空気の流れも良くて、
8段目まであります。
“下浦百年ポンカン”は
この貯蔵と予措でデコポン並みの
糖度とそれ以上の香りがうまれます。
下浦百年ぽんかんは高糖度で、
甘い香りが強いのが魅力です。
食べごろは2月。
この時期が1番味と香りがのります。
香りが良いので、加工品にも適しています。
お正月に、ポンカンを皮ごと蒸した
ぽんかん餅を作る農家さんも。
このぽんかん餅は、下浦ふるさと祭りでも
個数限定で発売されます。

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