みなさんこんにちは!下浦町金焼地区在住 渡邊英人 と申します。
私は下浦町の金焼地区に住んでいます。
生まれも育ちも金焼で、海や山の豊かな大自然に囲まれ育ちました。
ライフワークは地域づくり活動で、地元、金焼校区活性化推進協議会の事務局をはじめ、金焼青壮年会、下浦青壮年会開新会、本渡岳友会、しもうら弁天会などに加入し、さまざまな活動に地域の皆さんと力を合わせて取り組んでいます。
「金焼」の地名の由来は下浦石工(いしく)の歴史にも関係が深く、
良質の砂岩である「下浦石」が多く産出されたところが「石場」、
石を彫るためのノミが焼かれていたところが「金焼」と呼ばれるようになりました。
下浦石工の元祖「松室五郎左衛門」は、佐賀から下浦町の石場地区に移り住み、 石工の技術を人々に教え、天草・下浦の石工業の発展に尽力しました。
本渡の祗園橋や天草各地の石橋をはじめ、長崎オランダ坂の石畳やグラバー邸の庭石、三角西港など明治日本の産業革命遺産(世界文化遺産)の礎を築いたのは、下浦の石工達であり、我が町の誇りでもあります。
▲石場地区にある松室五郎左衛門の墓
さて、今回のブログで紹介するのは、
2017年7月18日に販売を開始した、九代目金焼校区オリジナル芋焼酎「金焼」です。
芋焼酎「金焼」は、金焼校区活性化推進協議会のまちづくり活動の一つとして、2007年から製造に取り組み、2008年から初代「金焼」の販売を開始。今回が九代目となりました。
途中1年だけ、原料のサツマ芋がイノシシの被害により収穫できなかったため、やむを得ず休止していますが、それ以外は毎年、製造販売を行っています。
金焼校区活性化推進協議会は、人口減少や少子高齢化、小学校の統廃合により活力が失われつつある古里をなんとかしたいと地元の有志が立ち上がり、校区の区長会や青壮年会、婦人会、PTA、消防団など、地域にあるさまざまな団体に呼びかけ、1998年8月に設立。
夏祭りや花いっぱい運動、夕やけ市、自主防災活動、天草で暮らそう体験ツアー受入れなど、年間を通して様々な活動を行ってきました。そのまちづくり活動の一つとして、昨今の芋焼酎ブームや、各地の蔵元で行われているオリジナル焼酎造りにヒントを得て、金焼校区のオリジナル芋焼酎を造ろうという話が持ち上がり取り組んできたものです。焼酎の収益は全て、まちづくり活動に活用しています。
▲花いっぱい運動の取り組み(金焼バス停周辺)
もともと天草は平地が少なく畑が多いため、戦後は主食用として「サツマ芋」が盛んに栽培されていました。金焼地区も例外ではなく、その一部は焼酎の原料として出荷されていました。
私の父が幼少だった頃は、その芋を利用して自家製の焼酎造りも行われていたらしく、「ハナタレ」といって、焼酎を蒸留するときに最初に出てくるアルコール度数の高いところを舐めさせられたことがあると言っていました。
金焼地区では、表面が白く甘くておいしい「アメリカ芋」や、表面が赤く焼き芋にするとおいしい「紅アズマ」などの品種の芋が栽培されています。これらの芋は、かつて、ほとんど自家消費されていましたが、地域の芋焼酎を造ることになり、原料として出荷してほしいと呼びけたところ、快く協力してもらうことができました。
初代「金焼」の製造販売の時のエピソードを紹介しますと、地元住民は、自分が作ったサツマ芋が焼酎になるという喜びや、僅かながら現金収入にもなること、「金焼」という地域の名称を使ったオリジナル焼酎ができるという誇りなどで反響はとても大きく、2007年11月の芋の収集から、醸造方法の決定、同年12月の醸造委託先である、あさぎり町の「堤酒造」への芋の運搬、2008年2月の焼酎の名称の決定、同年3月からの予約受付、同年5月のラベル案決定と、地域は焼酎の話題でもちきりになり、初代金焼校区オリジナル芋焼酎「金焼」(一升瓶で650本製造)は、同年6月1日の発売と同時に完売するといううれしい悲鳴となりました。
芋焼酎「金焼」の特徴ですが、原料となるサツマ芋は全て地元の農家が生産したアメリカ芋と紅アズマを使用し、黒麹仕込みで常圧蒸留の本格芋焼酎です。
有名な芋焼酎「黒霧島」は、コクがありまろやかで飲みやすく女性に人気となり、全国的な芋焼酎ブームの火付け役となりましたが、同じ黒麹仕込みとしています。
また、個性があり風味豊かな焼酎ができる常圧蒸留という蒸留方法を採用しています。
芋の香りが芳醇なうえ、甘口でまろやかなことからロックでもお湯割りでもお勧めの焼酎に仕上がっています。
毎年、原料となるさつま芋の種類や量が一定ではないことから、その年で出来栄えや味が異なるのも楽しみの一つです。
住民は金焼地区出身で遠くに住んでいる親戚に贈ったり、子供達が自分の成人式に飲みたいといって、お小遣いで購入したりして、毎年焼酎ができるのを楽しみにしています。今では、熊本や大阪からも注文が来るようにもなりました。ふるさと納税のお礼品にもなっています。
新酒・九代目「金焼」が、昨年11月に芋を収穫してから堤酒造で蒸留し、8カ月の熟成期間を経て、地元の渡辺商店で7月18日から販売を開始いたしました。
今年の出来栄えも上々です。ぜひ、一度、ご賞味ください。
一升瓶ラベルの金焼港の絵は、元区長の菅原盛人さんの作品で、5合瓶ラベルの下浦石工の元祖「松室五郎左衛門」のイラストは天草市の郷土史家・上中万五郎さんの作品。
原酒ラベルの「金焼」の金文字は、地元金焼出身のデザン&印刷業を営むワタナベデザインさんの作品です。
裏面ラベルには、下浦の石工物語を紹介し、本渡の祗園橋のイラストは不肖ながら私が描かせていただきました。
価格は25度の一升瓶が2,300円、5合瓶は1,200円、原酒37度5合瓶は2,000円です。
数量限定となっていますのでお早めにお求めください。
焼酎の販売は地元唯一の酒屋「渡辺商店」のみで販売しています。
地元の地域づくり活動のために協力してもらい、価格も抑えながら販売していただくなど、渡辺商店の協力なしにはできなかった取り組みで、とても感謝しています。
渡辺商店以外の酒屋では買えませんが、宅配等での配送はしていますので、直接、渡辺商店に電話で注文していただくことができます。
⇒焼酎販売のお問い合わせ:熊本県下浦町金焼「渡邊商店」 電話:0969-23-7456
▲唯一の販売店である渡辺商店と焼酎部会のメンバー